精密機器の運搬について

古くはカメラや時計・オルゴール等の微細加工や精密加工された物を指した言葉ですが、電子工学とメカニズムの融合で出現したメカトロニクスや、精密な電子機器を搭載したハイテク装置の登場などにより、様々な物が精密機器と呼ばれはじめ、本来異なる意味の「機械」と「機器」が、「精密機器」と「精密機械」では明確に区別されずに用いられていることが多い様です。
一般的消費者の感覚から、精密機器を連想しますと、パソコンやプリンターや、コピー機等が思い浮かびますが、実際には、多種多様で、サイズ的な観点では、小さなパーツや計測器から、巨大な宇宙ロケットまでもが精密機器に含まれます。
また価格の観点では、安値なものから、数億円クラスの物まで含まれます。
また、大掛かりな物では、運搬だけでは収まらずに、設置も重要になってきますので、現状設置されている処から、運搬するための撤去・解体・梱包や運搬先での梱包開封、組立て・設置が運送業務として含まれる場合も有ります。
また、微調整の必要な精密機器の場合、専門の整備士によるメンテナンスや微調整が必要な事も有ります。
以上の様に「精密機器の輸送」と言いましても、多様なバリエーションが有りますので、送り主さんが、「どのような精密機器」を送り届けたいのかにより、その輸送において、注意すべきポイントは変わってくることでしょう。
ケースバイケースで変わる「注意すべきポイント」ですが、送り届けたい精密機器が「振動」「衝撃」「埃」「温度」「湿度」「酸化ガス」「強磁界」「強電界」のどれに関してどの程度デリケートなのかを理解しておけば、輸送業者さんの選定や、輸送業者さんとの打ち合わせで、明確な指針を示しつつ、安全な輸送の準備と遂行を行う事が可能になると事でしょう。